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ロマフェリの開発日誌#4: ローカライゼーションの基本

今回の開発日記ではロマフェリの主な特徴のひとつであるローカライゼーションを取り上げたいと思います。ゲーム開発業界のグローバル化、デジタルで出版することも一般的になってきていて、(できるだけ多くの)様々

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ロマフェリの開発日誌#3: UIとUXのより良い理解へ

ロマフェリの開発日誌も第3回となりましたが、このような開発の思考や失敗から学んだことについての記事が少しでも皆さまの興味を引くことができるものになっていればと思います。今回は、これまでの開発の中で試行

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ロマフェリの開発日誌#2: 広い視点で……

ロマフェリの開発日誌に興味を持っていただきまして、ありがとうございます。2回目の開発日誌では1回目とは違った視点で学んだ点に対してさらに深く取り上げていきたいと思います。 毎回、良いものをお届けしたい

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ロマフェリの開発日誌#1: 学んだ教訓

皆さま、弊社初の「開発日誌」へようこそ!ロマフェリのプレビュー版の発表から7ヵ月が経った今、ようやくSteam上の早期アクセスで自信をもって公開できそうな状態になっている……と思いたいところです。そこ

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キャラクターができるまでその1

ロマフェリスタッフ(プランナー)です。ロマフェリには魅力的なキャラクターが沢山登場しますね。 キャラクターを考えるまでにスタッフのみんなで様々なことを検討しました。見た目もそうですし、性格、イメージカ

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今回の開発日記ではロマフェリの主な特徴のひとつであるローカライゼーションを取り上げたいと思います。ゲーム開発業界のグローバル化、デジタルで出版することも一般的になってきていて、(できるだけ多くの)様々な言語にゲームを翻訳するのが当たり前になってきました。バイリンガルな会社として、ゲームを発売する際に英語版と日本語版が必要不可欠です。

ですが、「ローカライゼーション」という話題は一つのブログでまとめるには大きすぎます―毎回テーマに沿って長い文章を書いてしまっているブログですが、それでもあまりにも大きすぎたので……なので、基本から始めるために翻訳に対する考え方、方針、こだわりなどの「翻訳フィロソフィ」と世界中で発売するつもりのゲームを作る際に気を付ける文化の問題について今回のテーマにしました。

私たちの翻訳フィロソフィ

ローカライゼーションを始める前にまず私たちはどんな翻訳フィロソフィにするのかを決めることにしました。翻訳は化学よりも美術に近いもので、翻訳家ごとに自分のスタイルもあり、「良い」翻訳とはどんなものなのかの様々な意見もあります。会社別に見ても翻訳へのアプローチが全く違っています:一人の翻訳家にまるごと任せる会社もあれば、(たくさんの翻訳家と協力して)スタイルガイド、小辞典、厳しいルールを設けている会社もあります。

多くのメディアで使われている翻訳フィロソフィでは、目的の言語の文化に合わせるために文章のニュアンスや意味も大きく変えても構わないとされているようです。逆に、ファンや有志によって翻訳されたメディアは逆に元の文章に従いすぎて読者にとって読みにくい印象を与えるものもたくさんあります。

私たちの考え方はその真ん中にあります。理想はもちろん元の文章を正確に訳して目的言語で自然な文章を作ることです。意外と難しい目標ですが、元の文章に誠実であることが大切だと考えています。

ほとんどのゲームはモノリンガルの開発者が母語で開発して、完成したあとに他の言語に翻訳されます。オリジナルの開発者は目的言語がわからないので、翻訳家を信じて良い翻訳ができると期待するしかありません。各言語版が完全に別売な場合はプレイヤーにとって比較対象がないのでそれでもよかったのですが、最近は設定画面で言語の選択をする方法が一般的になっていて(新しい言語も追加コンテンツとしてダウンロード可能)、それで「良い」翻訳と判断される標準が厳しくなってきています。

私たちはバイリンガルなチームなので、その取り得を最大限に活かしています。英語も日本語もネイティブスピーカーがいて、ゲーム開発を導くことができており、バイリンガルなシナリオライターが一かモノリンガルなライターと翻訳家と協力の架け橋となっています。これにより、他とは違う珍しいことができるようになりました:二か国語で同時にゲームを作ることです。

間違いなく、一か国語でゲームを作ってから翻訳した方が速くて費用対効果が高いです。でも、それでは、翻訳しているときに何か違うと感じたらどうすればいいのでしょう?特に英語と日本語みたいにあまりにも違う二か国語では、翻訳は難しい表現などがあって、もう出来上がったゲームを翻訳している場合には元の文章を翻訳しやすいものに変えられないというのが当然です。そうなってしまったら、あるもので頑張るしかなくて、結局は意味を大きく変えてでも目的言語で理解可能な文章にすることになります。

二か国語でゲームを作ることには独特の問題はありますが、どちらの言語の文章も編集できる柔軟性があります。実はブログも似たようなやり方で書いています。スタッフが母語で書いて、翻訳家に翻訳してもらって、バイリンガルなライターが両言語バージョンをチェックして、ネイティブスピーカーの耳に自然に響くために必要な編集をします。

この考え方はマルチリンガルなプレイヤーにはいくつかの言語で楽しんでいただけるゲームであるロマフェリの目標と相性が良いです。ゲームをある言語で遊びたい、言語の勉強に役立てたい、翻訳でニュアンスが変わってしまうという心配をしないで母語で遊びたい、というプレイヤーがいます。そのためのハイクオリティの翻訳を提供するために努力をしています。

文化の問題を意識する

はっきりした翻訳フィロソフィの他に、違う文化がどう作品を受け取るかについての理解が必要です。それを意識することで、スートリーや画像を大きく変更しないで世界中の誰でもが遊べるゲームが作れていくと考えています。

違う視点からものをみる

国ごとに違う歴史、文化、できごとの見方があります。一つの国の人にのっては取るに足らないものでも、違う国の人にのっては末永く社会を大きくかわるものでさえありえます。

一つの例はカプコンから発売されている、バイオハザード5で起きた問題です。日本の開発者がアメリカ合衆国の奴隷や人種差別に関する歴史を十分に考えないまま、白人系アメリカ人がアフリカへ行って(主に黒人の)ゾンビを殺すというスートリーやビジュアルのゲームから、どういった印象を受けるのかを広い視点で想定できていませんでした。他によく耳にするローカライゼーションと文化の問題はドイツのナチスの符号とテーマを縛る法律です。ドイツの社会はナチスによって深い傷を負ったのでその符号やテーマを表現するメディアに対しては厳しい姿勢をとっています。

ロマフェリはファンタジーの世界を舞台にしているので実際の歴史の出来事でトラブルが起こしにくいですが、実際の歴史に似せた場面は色々な国の人にどう映るかを意識しなければなりません。そして他国のメディアに関する法律を意識する責任があります。例えば、同性愛のカップルを表現した内容を含むために、反LGBT法律を持つロシアでは18禁のレーティングになるかもしれません。

文化の勘違い

大きな歴史と文化のコンテキスト以外にも小さなミスコミュニケーションもたくさん起こりえます。ボディーランゲージから符号の使用までが、国、地方、世代で意味が違うことがあります。

ジェスチャーなどがイメージしやすい問題でしょうか……これは、国によって大きく意味が違っていることがあり、肯定的なつもりのジェスチャーが見た人によっては否定的として受け取られることがあります。

OKジェスチャー
良い意味と悪い意味を持つジェスチャー

たとえば、キャラクターに手でOKのジェスチャーをさせたとしましょう。私たちなら上のジェスチャーをしますが、それで想定していない意味が伝わる可能性があります。日本では、このジェスチャーを見る向きによっては「お金」という意味になる場合もあります。フランスでは、Oの形がゼロ、つまり「価値がない」という意味として伝わることがあります。地中海の国では下品な意味を持ちます。世界規模化で「OK」の意味も広く知られるようになってるので、意味を明確にするコンテキストも入れたら多分正しく伝わると思うので、ゲームに利用しても大丈夫でしょうが、勘違いされることもあると開発者は意識を持っておいた方が良いと考えています。

他に気を付けないといけないところはアイコンです。ロマフェリ開発日記#3で触れた通り、アイコンがマルチリンガルなゲームにとっては強い道具となりますが、思っていたものと全く違う意味が伝わってしまう可能性があります。

お寺記号が載せてある地図イメージ
仏教のお寺を表すこの符号は人によってショックを与えます

日本でもその問題に直面しています。それはまんじです。仏教を含むたくさんの宗教で古くから神聖な符号として使われてきた歴史がありますから、日本の地図記号ではお寺を指す記号として使用されています。残念なことに、ナチスがその符号を勝手に利用したために、海外、特に西洋諸国ではナチスと反ユダヤ主義のシンボルになってしまいました。日本の開発者がそのことを意識せずにゲーム内でその符号を使えば、翻訳するときに問題になります。過去の例を挙げると、コナミから発売されていた「がんばれゴエモン」シリーズでは、日本向けではまんじのマークを使用していますが、翻訳したものは☆に差し替えていたり、任天堂から発売されていたポケモンカードシリーズのとあるカードの絵柄の一部にまんじが描かれていたことにより、ユダヤ人コミュニティに非難されるということもありました。

もちろん、開発者には必ずすべての文化違いに対する過失を予想することは不可能です―特に私たちみたいな小規模の開発会社には。でも、ローカライズする予定の地方の文化と歴史の基本など、少しでも意識をしていれば大きな問題を避けることができるはずです。そして、問題があると言われたときには、悪気がなかったから、と問題として取り上げなかったり、悪気はなかったとはいえ、謝罪のみで責任を逃れていると思われる行動に出るよりも、しっかりと問題となった元への意見を聞き、解決策を考えていく方が良いと感じています。少なくとも、私たちはそういった姿勢で開発を続けていく予定です。

今回の開発日記はこれで終わりです! ロマフェリのゲーム本編から少し離れた大きなテーマでしたが面白く読んでいただけたら幸いです。次回もローカライゼーションのやり方について紹介しますので今回で興味を持たれた方は、ぜひまた読んでください!

ロマフェリの開発日誌も第3回となりましたが、このような開発の思考や失敗から学んだことについての記事が少しでも皆さまの興味を引くことができるものになっていればと思います。今回は、これまでの開発の中で試行錯誤を経て大きく変えることとなったUI/UXと、その開発プロセスの重要性をテーマにし、考えてみました。

紙上にしたデザインを上手くゲームに落とし込めるとは限らない

旧マイ・ルーム画面の仕様書
旧マイ・ルーム画面の仕様書

私たちがゲーム開発を始めた当初は、過去に別のゲーム会社で働いていたスタッフたちが経験を元に開発フローを考えていたために、まずプランナーが機能仕様書やレイアウト仕様書を作成し、それを元にデザイナーが細かく完成度の高いイメージを作成するという流れで進めていました。ここまでは特に問題が無さそうに思えます。私たちもそう感じていました。これは、開発日誌#1でも触れた通り、より規模の大きいゲーム会社で働いていたからこそできたことだったのですが、まだこの時はそのことに気付いていませんでした。この段階で作成したイメージは綺麗で完成形に近いものだったのですが、それぞれを作成するのに長い時間をかけていました。その影響もあってか、作成された綺麗なイメージをそのままゲームに入れて必要に応じて微調整するだけでゲームのデザインが完成すると考え、イメージをゲームで利用できるUI資源に変換する長いプロセスに着手することにしたのですが……ここで様々な問題に直面することとなりました。

旧スケジュール画面
旧スケジュール画面の学習項目は最大3文字表示

最大の問題となったのは、表示する文字数でした。私たちが開発するゲームは、多言語対応を大前提としています。しかし、デザインを作成する時点では、日本語の表示しか考慮していなかったのです。日本語では文字数の少ない単語でも英語では当然ながら文字数が増大してしまい、デザインされたレイアウトに収まらない状態になってしまいました。また、仕様書やデザインの状態では使いやすいと思っていたレイアウトにも無駄な操作などが見つかり、実際にゲームへ反映して動かしてみると使いにくいと感じるところも多くありました。

これらの問題を解決するためにはレイアウトを変更する必要があるとわかりましたが、デザイナーの作成したイメージは本当に丁寧に細かく作り込まれていたので、簡単に修正できるものではなく、結果としてとりあえずゲームで利用できるためだけの修正に沢山の時間を費やすことになりました。1つだけのレイアウトに集中せず代替のパターンを用意していたら、この問題はここまで大きなものにはならなかったと、今となってはそう思えますが……長い時間をかけて苦労した結果、そのような開発プロセスは開発スケジュール全体にとって大変な痛手であると学びました。

柔軟なアプローチに挑戦

今後このような修正に本来必要ない時間を使わず、効率的で円滑に進められる方法を考えて、UI開発のプロセスを見直すことにしました。まず、私たちが反省したのは、企画とコンセプトの段階でした。上記の通り、予想した通りに動作しなかった(結果、修正が必要になった)仕様書と完璧に作りこんでしまった「コンセプト」のデザインを作成するのにかなりの時間をかけていました。

プランナーたちが学校や前の会社で学んでいたことにもかかわらず、仕様書はゲームの機能を概念化するのに役に立たず、そしてゲームで実現した時に出てくる問題点を予測することも仕様書の段階ではできていませんでした。その時にチームに入っていたデザイナーはゲームで表示するレイアウトのイメージをそのまま作成する方が簡単で早いと考えており、その通りに開発を進めていたのですが、本当に少しだけ修正したい時なども、それが困難となっていました。ワイヤーフレームや簡易的なコンセプト・レイアウトを行わなかった結果、今の開発速度の倍くらいの時間がかかっていました。さらに、もう既に綺麗に完成されているデザインは、大きな変更をしたくてもそれが難しく、最初から考え直した方が良いようなものでも、レイアウトを修正し続けてしまっており、完成に辿り着くのが困難になっていました。

設定画面のワイヤーフレーム
設定画面のワイヤーフレーム

そこで、プロセスを合理化するために細かい仕様書とレイアウトのイメージを処分して、ミーティング、レイアウト参考例の調査、単純化したワイヤーフレームの作成をこれまでのプロセスの代わりに行うことにしました。その結果、ある画面に対してかなり時間をかけていたにも拘らず、一から作り直すことになるという問題を防ぐことができました。ワイヤーフレームを利用することで簡単にいくつかのパターンを実施し、良いものがあるのか、どこをどのように変更すれば良いものになるのかなどを検討できるようになりました。シンプルでフラットなデザインにすると、UIに含まれる要素の配置や大きさの調整など、レイアウトの変更が非常に簡単になります。

日付のインタフェース用のデザイン・パターン
日付のインタフェース用のデザイン・パターン

上記に書かれている方法論を利用することで早めにいくつかのデザイン・パターンを作成し、大きな修正と小さな修正の両方を何時間、早い時は何分程度で実施できるようになりました。コンセプトのイメージをチームでリビューすることにより一人のプランナーが自分で仕様書を作成している時では気づけない問題点を見つけやすくなりました。出来上がるゲーム画面は前のように磨かれた感じではないかもしれませんが、より簡単に微調整できて色々変更していける柔軟性が出てきました。

より良いユーザーエクスペリエンスを作成

柔軟性のないデザイン・プロセスというハードルをクリアしたため、次は実際にUIに何の問題があるのか、それはどのようにユーザーエクスペリエンス(UX)を悪くしたのかを把握する段階に進むことができました。良いUI/UXの基礎は使いやすさであり、それはクリック数からわかりやすさまで様々な要素が含まれています。要素の範囲が結構幅広いため、さらに3つのカテゴリーに分けてみました:鮮明性、ユーザビリティ・アクセシビリティ(使いやすさ)、「エンゲージャビリティ(ハマる要素)」……この3つです。

旧ステータス画面
旧UIでは文字に頼りすぎたせいで可読性が下がりました

鮮明性を発見

旧デザインをゲームに入れてから鮮明性が低い(つまり、ゲームをプレイしている時にユーザーが何をすればいいのか、何を見ればいいのかなどが明確になっていないことがある)という問題点に早めに気づきました。限られていた文字数を元に、その文字数だけが入るようにデザインが作られていたので、英語版ではこういった問題が更に明確になっていきました。英語のUIでは日本語よりも多くなりやすい文字数に対応するためにフォントのサイズをなるべく小さくしたり、1行の方が伝わりやすいものを仕方なく2行にするなど、結構無理やりな対応をする必要がありました。その結果、UI全般のわかりやすさやナビゲートしやすさが低くなっていました。

学習項目選択画面
アイコンとツールチップの表示

そこで、認知性を向上させるために、多くの文字になっている要素をアイコン化しました。それによってスペースに余裕ができ(レイアウトの自由度が高くなったおかげで様々な視覚的階層を試せるようになった)、そして(アイコンはどんな言語でも変わらないため)マルチ言語によりうまく対応できるUIにもなりました。UI要素の説明文もツールチップに移動することができたので、文字数でレイアウトに影響を及ぼさずにユーザーが要素の使い方を理解しやすいように作り変えることができました。

ユーザビリティ・アクセシビリティを向上

旧メニューナビゲーション
旧メニューのナビゲーションはゲーム状態によってレイアウトが変わっていました

ユーザーフレンドリーのインタフェースを作成する基本としてユーザビリティとアクセシビリティはもちろん大事ですが、綺麗でユニークなデザインを作ろうと意識してしまうとそれらを簡単に見落とすことになってしまいます。旧デザイナーはイラスト作成の経験が深かったものの、レイアウトのデザイン経験があまりなくて、それが元のデザインのプロセスが失敗した一つの理由となっていました。プランナーも経験が豊富なUIデザイナーと一緒に働くことに慣れていて、仕様書内の説明文と一つだけのイメージ図からゲームの雰囲気に相応しいレイアウトが作成できると思っていました。しかし、まだ良いUIに対して勉強中だったデザイナーは当然ながら参考例のイメージ画像をテンプレートとして利用してUIをデザインしていきます。いくつかの出来上がった画面に対して上記のような問題が起こった結果、UI要素がゲーム状態によって位置が変わってしまうなどの問題が出てきました。

仕様書を利用しているトップダウンアプローチからミーティングと頻繁なリビューをする共同アプローチに切り替えたおかげでUIのユーザビリティとアクセシビリティをもっと最適化できるようになりました。かくして、様々なレイアウトのパターンへの挑戦、ボタンなどのUI要素の適切な配置やサイズの検討、プレイ中に必要な操作が無駄に多くないかの確認などができ、デザインのユーザーフレンドリー性をより簡単に企画し、テストもできるようになりました。コントローラー対応や他のプラットフォームにポートを対応するための工夫などの微調整や改善点を将来的に行う計画も立てています。もちろん、まだ先のことでもあるので、長い時間をかけてこれからもこのようなUIの改善をしていく予定です。

エンゲージャビリティで興味を引く

最後はUI/UXがユーザーをエンゲージして楽しい体験をさせる力である「エンゲージャビリティ」というものです。残念ながら、これはまだ深く対応できないところです。「エンゲージャビリティ」はある程度ロマフェリのインタフェースの鮮明性とユーザビリティ・アクセシビリティを改善することで少しずつ感じられるようになるかもしれませんが、一番重要なのは磨かれた資源になります。UIがゲームの楽しさを高める一つの大きな方法としてゲームプレイに必要な機能部分がゲームの世界に溶け込み、それでプレイした時の没入感をより感じられるようになります。正直に言うと、私たちが利用している現在の仮の資源ではそれができません。現在の状態で、要点なUIの使いやすさに満足できるようになったら、UIデザイナーに依頼して出来上がったコンセプト・アートを磨かれた画像に入れ替えるようにしていく予定です。ですので、私たちが良いUIを作成している間はもう少し皆さんに待っていていただければ助かります。

では、今回の開発日誌は以上にしたいと思います。次回も面白く読んでもらえるようなものを作成する予定ですので、また読んでいただければ嬉しいです!

ロマフェリの開発日誌に興味を持っていただきまして、ありがとうございます。2回目の開発日誌では1回目とは違った視点で学んだ点に対してさらに深く取り上げていきたいと思います。

毎回、良いものをお届けしたいと思っているので、今回のテーマについても何を取り上げるか話し合いながら少し悩みました。でも、話し合いの中でLilioが現在の情報の要であるインターネットの世界で、市場に溢れている沢山の種類のゲームの中からどのようにすればうまくロマフェリを目立たせることができるのか等を考えさせてくれました。今回は話し合いの中に出てきたこちらの質問についての答えを特に考えていければ良いなと思いました:そういった沢山のゲームの中から、どうすればユーザーの方々にロマフェリに興味を持っていただけますか?

ですが、その質問に答えるために、まず、私たちのゲームのどこが面白いのか、同じようなジャンルのゲームとどう違うのかを把握した方が良いと思うので、今回の開発日誌でそれについてお話ししてみたいと思います。

ゲーム性の高いゲームを作ることがどこまで重要なのか?

「ゲーム性」とはゲーム独自の要素、つまり映画や小説等との他の娯楽作品との違いのことです。インタラクティブ性等、ゲームでしか経験しない面白さということです。キャラクターを移動させたり、パラメーターを上げたり、レベルアップしたりする等の要素はすべて「ゲーム性」に繋がっています。ゲームのジャンルによってどのようなゲーム性が出てくるのかは大きく変わります。

キャラクターイメージ
乙女ゲームでは攻略キャラクターとのラブストーリーを楽しむことがメイン

たとえば、ロマフェリのジャンルは「乙女ゲーム」となります。「乙女ゲーム」という言葉を聞いたことがないという人もいるのではないかなと思いますが、簡単に説明すると主人公キャラクターが女性であり、ゲーム内に出てくるキャラクターとの恋愛が楽しめるジャンルのことです。

日本ではこの乙女ゲームが多く作られており、今も様々なハードで遊べるジャンルのゲームとなっています。ただ、多くのゲームがテキストアドベンチャーを中心とした作品となっており、ゲーム性よりは恋愛要素・キャラクターとのストーリーを楽しむものが重視されているために、ゲーム紹介文等も全てストーリー・キャラクターについて・好感度の上げ方について……主にこの3点のみで終わっているものが多いことに気が付きました。

ですが、私たちは開発者だけでなく、ゲームをプレイするユーザーでもあるので、そちらの視点で見るとそれだけではゲームの面白さや魅力が伝わりにくいのではないかと、どうしてもそんな疑問が頭を過ります。そして、プレイした時に気が付ける面白い要素があるゲームならば、もっとプレイする前にも興味を持てるきっかけとなるゲームのユニークな機能等を紹介した方が良いのではないでしょうか?プレイヤーの視点から見ると、市場の中でもそういった要素が目立つゲームを探しているため、何か面白そうな要素のあるゲームの方が気になってしまい、つい見てしまいます。つまり、沢山の注目を集められます。

そう感じるのは、私たちが普段テキストアドベンチャーゲームだけではなく、多くのゲームに興味を持っている理由にもなるかもしれません。特にアクションや戦略ゲームをプレイしているので、ゲームの紹介文等ではメインの操作性以外(乙女ゲームの場合はテキストを読み進める方法や好感度を上げる方法)にも特徴的なものについて触れている部分がなければ中々興味を持てないことがあるので……

正直に言うと、ロマフェリもストーリーやキャラクターについての紹介文以外に触れておかないとこのままではありがちな乙女ゲームとして埋もれてしまうのではと危惧しており今回のブログでゲーム性について紹介できればと思っています。勿論、他の乙女ゲームと同じように出てくるキャラクターが魅力的、世界観が魅力的、それはロマフェリについても伝えたい重要な点となっています。ですが、ロマフェリはそれだけではありませんので、紹介文だけでは伝わりきらない面白さにも(もちろん自分で見つけてほしい部分もあるので全てには触れませんが)以降の文章で触れていきたいと思います。

ジャンルを混ぜる利点に対する検討

ロマフェリには多くの乙女ゲームに出てくる恋愛サイドストーリーへ繋がるシナリオより、他の要素の面白さをつけたいと思っています。前回の記事でも「シンプルなノベルゲームをよりゲーム性を高めたものにするための要素」について話しましたが、私たちにとってそれはテキストアドベンチャーゲーム以外の要素から何かのプラスアルファの面白さを付加するという意味でした。シミュレーションゲームや育成ゲームと呼ばれるジャンルはノベルゲームと相性がいいので、ロマフェリにもその要素も入れてみました。

勿論、ロマフェリのゲーム性を高める方法はまだまだ沢山あります。(特に洋物のアドベンチャーゲームで)最も人気のある要素は「クイックタイムイベント」(QTE)です。QTEはゲーム中に突然コマンドの入力をするという要素ですが、コマンド入力を受け付ける時間に制限時間が設けられており、その短い期間に緊張状態で様々なコマンドを入力することになります。失敗するとストーリーが分岐するかゲームオーバーになるか等の結果があるので、開発者がそれを利用することで簡単にプレイヤーをゲームに参加させることができます。ただ、QTEは正確に実装するのが非常に難しくて……また、そういった要素で没入感のあるストーリーを味わえるのは好きでも、操作が難しいゲームにあまり興味がない方にとってはゲームの魅力を少なくする恐れもあります。将来的に開発していく別のゲームでならばQTEのような難しい操作を絶対に使わない!とは言えませんが、今回の開発ビジョンには合わないと皆が判断しました。よって、ロマフェリは操作が難しいゲームはちょっと……と危惧している方にも安心してプレイしていただけると感じています!

教育要素で戦略性を高める

プレイヤーが主人公になるという基本コンセプトがあったので、プレイヤー自身がゲーム内で自分を育て、その実力を試していけるという要素が自然と思い浮かびました。また、プレイヤーにより主人公を成長させたいという気持ちを持たせるために、こういった教育システムをストーリーの主要な部分にしました。

楽しい緊迫感を作るのにゲーム期間も割と短く設定して、時間の使い方を戦略的に考えながら目標を達成していくことができるようになっています。理想的には、自分でどのように主人公を成長させ、能力を伸ばしていくのか、そのためにスケジュールをどのようにうまく管理するのかを挑戦し、主人公を成長させる教育部分とゲーム世界の他の要素も味わってプレイヤーのみなさんに楽しんでいただきたいと思っています。

学習項目選択画面
能力を伸ばすためにあなたが学習項目を自由に選べる

また、能力を伸ばす際にも、何から手を付ければ良いのか悩む方もいらっしゃると思います。そういう人のためにも、また自分の実力を試していきたい人のためにも、ゲーム内で定期テストのようなものが行われるので最初はそれをクリアすることを目標にプレイしていただければと思います。勿論、最終目標はお屋敷の跡継ぎになることですが……自らそれを拒むのであればその限りではないと思います。それもまたロマフェリの楽しみの一つだと考えています!

選択肢に意味を付加させたい

乙女ゲーム及びアドベンチャージャンルに含まれている多くのゲームはどこに移動するのか、何を言うのか、誰と話すのか等のプレイヤーの選択を中心に作られています。でも、乙女ゲームはゲーム中に発生する選択肢もキャラクターとの好感度を上げる目的のために用意されているものが多く、プレイヤー(またはプレイヤーが創造しているキャラクター)の意思が反映されないものが多いです。

アドベンチャーゲームは2,3,4回……等と繰り返しプレイしないと選択できない選択肢も出てくるので、私たちはキャラクターを中心とした好感度を上げるための典型的なセリフ中心の選択肢だけではロマフェリの面白さを引き出すには少し物足りないのではないかなと感じました。それだけではなく、ゲーム内の些細な選択肢にも何かの方法で意味をつけてみたいと思いました。勿論、意見などを言った時に同意してくれるキャラクターの好感度が変わることもあるでしょう。ですが、それだけではありません。自分の判断によって主人公と周りにいる人に微妙な影響を与えることもあれば明確な影響も与えるので、各ストーリーがどう展開されていくのか、楽しみにしていてください。

特性の表示
特性システムでは自分はどんな人になるのか?それでどんな道が開くのか?という戦略性が出てくる

実は、簡潔で魅力的なストーリーもあり、しかもすべての選択肢に意味がついているゲームを開発するのはものすごく大変です。シナリオの分割が出てくると大勢のプレイヤーが見ない可能性のあるコンテンツも書く必要も出てきて、ゲームのEDに影響が全くない「フレーバーテキスト」のみのマイナーな選択肢がありすぎると選択肢全体的に意味がないと感じさせてしまう恐れがあります。その問題を避ける方法の1点として(上記の画面に出ている)「特性」システムを導入してみました。

このシステムはプレイヤーがプレイ中に発生した選択に対して判断を行い、主人公の態度・価値観・考え方を成長させていきます。このような選択肢が影響してくるものについて全て紹介することはできませんが、基本的に選んだ選択肢による大きなペナルティはなく、プレイヤーの選択を反映するものとなるので自由に選んでいただき、一度EDを見た後もまた別の選択(自分の性格と真逆のものでも面白いかもしれませんね!)でプレイ、別のEDを目指す楽しみがあります。プレイ方法によって例え同じEDに辿りついたとしても、その過程で進んできた道筋、経験できる内容も違ってEDに出てくるフレーバーテキストも少し変わるのでまた違った1年間を楽しんでいただけるはずです!

ゲームを通して冒険を始める

ここまで様々な特徴を挙げてきましたが、勿論ロマフェリの中心はアドベンチャーゲームなので、アドベンチャーゲームとしても楽しんでいただけることも大事です。最後にどのように「アドベンチャーゲーム」の感覚をつかもうとしているのかについて話してみたいと思います。

ゲームイベントの設計作業画面
没入感と楽しさを上げるために私たちは様々なイベントを考えています

この記事に書いた通り、アドベンチャーゲームは色んな状況をプレイヤーに見せてからプレイヤーがどう進みたいのかを選択することでプレイヤーをゲームに没入させます。ロマフェリにそのような没入感を持ってもらえるよう、ゲーム内ではランダムで発生するイベントが用意されています。様々なところにランダムで発生するイベントを入れる予定がありますが、休日にのみ発生する上に参加するかしないかは任意ですのでスケジュールの邪魔にはならないような「休日イベントシステム」を中心に設計しています。

ランダムで発生するイベントも他のゲーム内のシステムを繋げる一つの方法なので、プレイヤーはそれで伸ばしてきたパラメーターや選択によって変化してきた特性がゲームにどんな影響を与えたのかを見ることができます。時には良い結果が得られないこともあるかもしれませんが、それもまた時の運……現実世界でも学んできたことを試す機会があったとして、自分の実力を発揮できなかった時はきっと悔しい気持ちを感じると思うのです。ロマフェリは現実とは違った世界で別の生活を楽しめる疑似体験ゲームになりますが、現実と同じく失敗から学んだことは成功した時と同じくらい、またはそれより、価値があるものなのではないかなと思います。良い結果だけでなく、苦いものも含めてロマフェリ内での生活を楽しんでいただければと思っています。

次の開発日誌まで

まだまだゲームは開発途中ですが、この記事で触れたような要素を入れた作品であるということを忘れずに楽しんでいただける作品にする!という目標を忘れずにこれからも開発を続けていこうと思いますので、今後も応援していただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

皆さま、弊社初の「開発日誌」へようこそ!
ロマフェリのプレビュー版の発表から7ヵ月が経った今、ようやくSteam上の早期アクセスで自信をもって公開できそうな状態になっている……と思いたいところです。そこで、これからは毎月ゲームの開発についての記事をこのブログに投稿していこうと思います。 今回のテーマは、ここまでの「ゲーム開発で学んだこと」についてです。私たちのような中小企業がパブリッシャーの支援なしで初めてのゲーム作りに挑むのはとても大変なことなのです。既にワークフローやゲーム全体の質を様々な形で改善してきましたが、乗り越えなくてはならない試練はまだまだ沢山あります。しかし、過去の失敗から学ぶことも多くあったので、今回の記事ではその経験で得た洞察力についてシェアしたいと思います。

少人数でのゲーム開発

今までに多くのインディーゲーム開発者がそうしてきたように、少人数のチームでもゲームを開発することは可能です。しかし、その道のりは簡単なものではありません。この、ロマフェリの開発チームにも過去にゲーム会社で働いた経験がある者が数名居たのですが、3~5人のチームでゲームを一から開発するにはその経験がうまく活かせられるとは限らないということが徐々にわかってきました。何せ、働いた経験がある者は皆、より規模の大きいゲーム会社で働いていたからです。最初はそのことをしっかりと理解しておらず、それぞれが前の会社で経験していたような開発方法をそのまま利用していました。ガントチャートやウォーターフォール・モデルでプロジェクトを管理し、各自チーム内で与えられた役割だけを忠実に守るという、一般的な開発方法です。これは、20人以上のベテラン開発者が集まっていれば問題なくゲームを開発できる方法かもしれませんが、私たちのような比較的経験の浅い少人数の開発チームには通用しないやり方で、より柔軟な開発体制が必要なことにしばらく気付けないでいました。

上記の問題改善に対して一番懸命に、そして適切な修正案を挙げてくれたのがプログラマーのCodeNekoでした。ディレクターのCthonyxaは、そういった修正案を挙げてくれる彼を信頼し、チームリーダーに任命しました。チームリーダーになったCodeNekoは、スクラム開発手法を試験的に行うようになり、同時にスプリントの利用を開始……こういった作業方法の見直しと提案により、与えられた仕事だけではなくゲーム開発全体に参加する重要性を皆が理解するようになり、開発サイクルをより効率的に行えるようになりました。現在は元々の役職名や職務内容に縛られず、必要な時にチーム全員が協力できるようになっています。本当に助けられてきました。

初期にチームに参加していたイラストレーターは開発途中で退職してしまったため、(元々Web関係で入社した)MichikoがUI用のコンセプトアートを担当するようになってくれました。そして現在、Cthonyxaが懸命にスプライトシステムなどの変更により必要になってきたキャラクターや背景の仮絵素材を用意しています。Cthonyxaはシナリオの担当もしているので、元々シナリオを担当していたLilioと協力して少人数のチームでも上手く展開できるスケールの物語になるようにシナリオを改訂しようとしています。また、これは少人数チームの特徴かもしれませんが、チーム全員が何らかの形でプログラミングに協力しています。Michikoは主なUIに関するコーディングを、Lilioは多くのスクリプト及びデータ入力を、CodeNekoは主なゲームエンジン用のプログラミングを、そしてCthonyxaは全体で必要に応じたプログラミング支援をしています。このようなチームワークのおかげで開発スピードは上がりましたが、スタッフロールのレイアウトを考えるのはちょっと大変になってしまいました……!

プレビュー版の厳しい現実

元々ロマフェリのサイトにデモ版を公開するために皆が頑張って開発していましたが、出来上がったものは「デモ」として使えるものというより美化されたプロトタイプに近いものだったので、「プレビュー版」として公開しました。もし、これまでの努力がゲームの質に直結していたのであれば、本作はしっかりとした楽しく遊べるノベルゲームとなっていたでしょう。しかし、現実はそう甘くありません。だから、みんなが時間をかけて苦労して作っていたプレビュー版を開発チームでプレイしてみて、あまり楽しくないと感じていたのが悔しかったです。斬新で面白いと思って取り入れたシステムはゲームのテンポを悪くしました。リアルでプレイヤーが入り込めるのではと思ったキャラクターにもさほど深さを感じられなかったです。UIは不格好でゲームの世界をプレイしていても、十分なユーザーエクスペリエンスを感じられない状態でした。楽しく訪れられるだろうと思っていたゲーム中の場所はストーリーとの繋がりもなく、今のゲームで使う意味がないと感じました。シナリオは各要素の中で最も評価が高いものとなっていましたが、個別キャラクターのストーリーに対して時間かかりすぎたせいでメインストーリーがゲームの重要な部分というよりはただのオマケのような印象を与えしまっていました。

本来は、デモ版(プレビュー版)を元々Steamの早期アクセス版として発表する予定でしたが、上記のようにゲームを実際に遊んでみた結果、それはまだ早いと判断できました。そこで、マイルストーンをいくつか考え直して、プレビュー版で把握した問題点を改善し始めました。丁度この時期に、育休中だったチーム内イラストレーターがそのまま退職することが決まり、現場の士気が少し下がってしまったのを感じました。しかし、それでもゲームの開発を進めなければと思い、様々な話し合いを行って開発を続ける方法を見つけていきました。

ウェブデザイナーとしてUI作成の経験のあったMichikoに、これまでのスキルを活かして現在のUIの修正に関わってもらい、絵や背景などの資源を開発の手を止めないために仮で使用できるものをCthonyxaが作成すると決め、完成版として使用するきれいな資源は外部の方に依頼することになりました。理想的な解決方法ではありませんが、これが今の私たちにできることなので、最終的には全て上手くいくように頑張るしかありません。

より良いゲームへの道のり

ここにたどり着くまでの7ヵ月間は本当に長くて早期アクセス版として公開するにはまだもう少し時間がかかりそうですが、ゲームを楽しくすることを目標にしてここまで進めてきました。チーム全員は頑張って問題点を探して、それでどのように改善すればいいのかを一緒にブレストし、改善できなさそうなものをゲームからカットしました。正直、無傷のままで残っているゲーム要素がないくらいです(因みに、サウンドデザインは早期アクセス版公開後に直していく予定をしています)。そのため、プレビュー版は現時点でのゲームに比べたら程遠いものとなっています。

ゲームを改善するための最初のハードルはゲーム内のデイ・ループでした。最初は数日分のスケジュールを連続して入力できるシステムを使用していましたが、「ロマフェリの面白い要素って何だろう?」と考えた結果、本作からはカットする流れとなりました。(いつか、他のゲームの開発の際に、本作からはカットした数日分のスケジュールを連続して実行するシステムを使っていければと思っています。)

ゲームはわずか1年の間に展開されるため、プレイヤーが一日ごとに自分で設定したゴールやストーリーを有意義な形で進められるようにしなくてはなりません。しかし、数日が早送りできる状態にしてしまえば、それを感じる機会が減ってしまうのではないかと思うのです。一日の終わりに表示される「マイルーム」画面からステータスの確認やスケジュール調整をしていくシステムも、テンポが悪くなるためカットし、代わりにいつでもアクセス可能なメニューを実装しました。まだこれから、一日のテンポをバランス良く退屈せずに過ごしていけるようにしないといけませんが、これは今後調整していく予定です。

次にデイ・ループと同じくらい重要なところであるシナリオを改善しました。ベースは良かったですが、実装してみると……そうでもない部分も多く感じられました。元々の私たちのビジョンでは疑似生活シミュレーション要素を含む乙女ゲームとして開発されていたため、キャラクターとそのキャラクターのストーリー内の役割は他の同じジャンルの人気ゲームを参考にしながら企画しました。しかし、私たちは100本以上のゲーム制作経験や莫大な予算がある大規模なゲームメーカーではないので、プロットを進めつつ全てのキャラクターを丁寧に展開していくには時間があまりにも足りなかったのです。女性キャラクターがほとんどないというのも、Steam上で発表するノベルゲームとしてはいい企画とは言えません。そのため、攻略対象を4人(クロードもメインキャラとしてカウントすれば5人になりますが、彼はそういう風に扱うと余計に偉そうな態度を取ってしまいそうなので敢えてカウントしていません)・サポートキャラを4人に減らすことに決めました。ミレイアとイマーニをただのメイドさんから貴族へとランクアップさせ、ノエルを女性物の服などを好んで着ている男性から女性へと変更し、キャラクターの男女バランスを改善しました。(ノンバイナリーのキャラクターは今回入れられませんでした。ごめんなさい!)最終的にキャラクターの数は14人(攻略対象6人+クロード、サポートキャラ7人)から9人(攻略対象4人+クロード、サポートキャラ4人)に変わり、男女比も10:4から5:4になりました。これによってキャラクターの設定がよりリアルになり、各キャラクターの個別のストーリーや物語への関わりをより深く掘り下げることができるはずです。

他に検討した要素は、シンプルなノベルゲームをよりゲーム性を高めたものにするための要素でした。元々主な要素としては、学習で上げられるステータスとキャラクターとの好感度という2点しかありませんでした。乙女ゲームやシミュレーションゲームを作ること自体はそれだけで十分ですが、私たちがこれまでに楽しんでプレイしたゲームの仕組みを真似することに注力しすぎた結果、私たち的にも出来上がったゲームはそれらの粗悪品のコピーと感じてしまう出来になっていました。開発チーム全員が何回もディスカッションやブレストをしないといけなかったのですが、最終的にただの乙女ゲームやシミュレーションゲームだけでなく、没入できるアドベンチャーゲームにしたいという結論になりました。でも、それを実現するためにデート扱いのお出かけシステムを(とりあえず)カットすることになったので、毎回違う結果が出る可能性のあるランダムで発生するイベントを仮で入れるように変更しました。しかし、どの結果になるのを決める基本方式は乱数ではなくて何かの要素をベースにしないといけないので(100%ランダムで決める結果は色んな意味でダメので)、学習以外のパラメータがあった方がいいということになり、新しいシステムを使用することを決めました。その結果生まれたのが、ムードのシステムと特性のシステムです。まだそれらのシステムについてはあまり語れませんが、ゲームプレイをより楽しくするための第一歩を踏み出せたのではないかと私たちは感じています。

開発している中にビジュアル・デザインのディレクションにも問題があったせいで、ゲームの世界が想定よりも楽しめないということになってしまっていたので、メニューのUXを改善することに加え、キャラクターの立ち絵や世界観そのものの問題点とも向き合う必要がありました。弊社イラストレーターが退職前に描いてくれた立ち絵はきれいなものでしたが、視覚効果の高いポーズや表情に対する私たちの理解が足りないまま発注してしまったため、出来上がったキャラクターは美しくて、表せる感情の幅が狭いマネキンのようなものでした。また、CodeNekoが指摘してくれた通り、開発段階でも様々なポーズや表情パターンを試さないといけませんが、完成している資源を利用してしまうとそれが非常に難しくなります。そこで、Cthonyxaが様々な腕の動きや大げさの表情を組み合わせたベースキャラクターを作り、ダイナミックで見るのが楽しそうなキャラクターを作るためにベースキャラクターを元に仮の立ち絵を描きなおしました。プロのイラストレーターの絵に比べると粗削りではありますが、今の状況だとこうして進めていくしかないのです。そして、正直に言うと、早期アクセス版なら絵のクオリティが多少低くても許されるので、それを十分に活用するつもりです。

また、ストーリーやゲームプレイとの関係性をあまり考えずにゲーム内の場所を色々と作り上げてしまったせいで、世界観そのものにも大きな問題がいくつかありました。プレビュー版では廊下や階段の踊り場などの「メイン場所」と(正直に言うと)必要ない場所にマップで行けるようになっているのはそれが理由です。マップ上のスポットを減らし、カットされなかったスポットにもキャラクターとの会話やイベントのトリガー以外の意味をつけようとしていますが、まだまだ取り組み中です。また、ストーリーに合わせて部屋を増やしたり削ったりしているため、ゲームに相応しい場所を把握する柔軟性ができるように早期アクセス中にラフっぽい仮の背景を利用する可能性が高いです。

これからは……?

今の私たちの目標は、勿論、ロマフェリを早期アクセスでリリースするための準備です。しかし、Steamの早期アクセスは実に気まぐれなシステムであるため、どこまでの完成度で皆さまにお届け出来るのか。そして、その中で秘められた可能性を見てもらえて、購入のきっかけにしてもらえるのかどうか……そういった完成度の目安というのは、私たち開発者からすると判断が難しいところです。ですが、何度も楽しく遊んでもらえるようなゲームを作れるよう一生懸命に頑張りますので、今後も様々なことに直面しながらも成長していくロマフェリ開発チームを優しく見守っていただけると嬉しいです!

これから数か月間に渡り、私たちは自社WEBサイト上のロマフェリのページの更新・SNSのアカウント作成などを通して本作の宣伝および公開準備を進めていく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

ロマフェリスタッフ(プランナー)です。ロマフェリには魅力的なキャラクターが沢山登場しますね。
キャラクターを考えるまでにスタッフのみんなで様々なことを検討しました。見た目もそうですし、性格、イメージカラー……等々。今のキャラクターが完成するまでの道のりを一部公開します。

キャラクターの作り方ラフその1
ノエルのイメージイラスト(名前もまだ未定でした)

こちらはサブキャラのノエルのですが、初期のデザインだとまだ性格がしっかりと固まっていなかったので今とは表情の雰囲気や髪型についても雰囲気が違いますね。ここから色々と修正を重ねて、今のイメージに近いデザインになりました。

キャラクターの作り方ラフその2
今のイメージに近いイラスト

最初のデザインと見比べてみるとかなり雰囲気が変わりましたね。でもまだ髪型などが違います。

キャラクターの作り方完成例
今のノエルのデザイン

その後も色々あって、今のこのデザインに落ち着きました。比べてみると本当に細かい点から、全く違う点まで、色々あります。

キャラクターデザイン修正例
イラストの修正例(ゲーム版未使用のラウル)

そしてこちらは攻略対象のラウル。こちらはゲーム内のものと輪郭が違いますがこんな風にサイズ調整をしたりして、少しずつ魅力的なキャラクターになるように変更していました。輪郭もそうやって修正しています。

こういったやりとりはキャラクターデザインだけではなく、他にも色々とあったのでまた別の機会に紹介していきたいと思います。